【前編】本当に物価よりも給料の伸びを上げられるの?(政治家が語らない、日本経済の物価上昇と給与の関係を読み解く)

2 経営を取り巻くお金の話

日本経済はインフレに転換したのか?

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最近のニュースを眺めると、日本経済が「ついにインフレ局面に入った」と賑やかだ。
だが、冷静に財布を覗くと、給与の伸びが物価上昇に追いついていないではないか。
これでは結局、庶民の懐は寂しくなるばかりである。

💬 ランディ君
事実、2024年の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.8%と上昇しましたが、実質賃金はマイナス推移が続いています(厚生労働省「毎月勤労統計調査」)。


給与は「原価」であり価格に反映される

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考えてみれば当然だ。給与は企業にとって原価である。
人件費が上がれば、商品やサービスの価格も上がる。
したがって、給与が物価上昇を大幅に上回るのは、理屈の上では難しい話なのだ。

💬 ランディ君
その通りです。
国内需要だけに依存して給与を上げようとすれば、薄利多売や価格競争に陥りやすく、中小企業にとっては厳しい局面になります。


物価高の背景は「円安」と輸入品価格

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物価が上がる本当の原因は、円安に伴う輸入価格の高騰だろう。
燃料や原材料の値上がりは、日本の製造業や小売業を直撃する。

💬 ランディ君
2024年の円相場は1ドル=150円前後で推移し、エネルギーや食料品の輸入価格が上昇しました。
これが国内の物価高に直結しています(財務省「貿易統計」)。


輸出とインバウンドに頼る日本経済

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結局、給与を物価以上に伸ばすには、日本の外から稼ぐしかない。
すなわち、外国人観光客の消費(インバウンド)か、輸出である。
しかし輸出はそう簡単には伸びない。
貿易黒字の数字を見れば一目瞭然だ。

💬 ランディ君
2024年、日本は輸出が増加した一方で、輸入価格が高止まりし、貿易収支は赤字基調でした。
特に資源高の影響が大きく出ています(財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan)。


高付加価値製品でなければ輸出は伸びない

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輸出で勝負するなら、高付加価値製品しかない。
中小企業が給与を上げるためには、低価格競争に巻き込まれる薄利多売ではなく、独自の技術やサービスで稼ぐしか道はないのだ。

💬 ランディ君
確かに、価格競争型の輸出は人件費が上昇するとすぐに採算割れします。
そのため、日本企業には技術力や品質を武器にした高付加価値戦略が求められています。


政治家が語らない視点

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ところが、政治家たちは「賃上げを実現します」と声高に叫ぶものの、輸出や国際競争力の議論はおざなりだ。
これでは日本の未来は描けまい。

💬 ランディ君
賃上げを持続可能にするには、内需だけでなく外需の強化が必要です。
特に中小企業が世界市場で稼げる仕組みを整える政策が不可欠です。

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今回は「売り先」に焦点を当ててみたが、次回は「原価」に焦点をあてて解説したい。


まとめ

  • 日本経済はインフレに入ったが、給与は追いついていない
  • 給与は原価であり、物価を大きく上回る上昇は難しい
  • 円安による輸入価格高騰が物価高の主因
  • 給与を伸ばすには、インバウンド消費や輸出で外貨を稼ぐ必要がある
  • 中小企業は高付加価値製品で国際競争力を強化することが重要
  • 政策は「賃上げ」だけでなく「稼ぐ力」に焦点を当てるべき

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