― 誤解はどこから生まれるのか ―
表示を見る:ワインには砂糖が書いていない
😏 私
ワインのラベルを見る。
原料表示はだいたい、こうだ。
ぶどう
酸化防止剤(亜硫酸塩)
――以上。
ずいぶんと潔い。
少なくとも、砂糖という文字は見当たらない。
だから私は、こう思ってきた。
ワインは、ぶどうだけでできている。
余計なものは入っていない。
発酵とは、そういうものだ。
😏 私
だが、ふと立ち止まる。
あれ?
補糖って、なかったっけ?
消費者の自然な解釈:書いてないなら入ってない
😏 私
食品表示法に慣れた消費者の目で見れば、
原料表示は中身の説明だ。
書いていない=入っていない。
これはもう、条件反射に近い。
しかもワインの場合、
ぶどうの国産・輸入については、やたら厳しい。
国産ワイン
国内製造ワイン
輸入原料使用
ここは細かく、実にうるさい。
産地は重要。
それは分かる。
😏 私
だからこそ、疑問が湧く。
なぜ、
ぶどうの出自はここまで厳しいのに、
補糖の有無は、ここまで静かなんだ?
制度上は別の可能性もある:補糖しても書かない
💬 ランディ君
ワインでは、発酵を助ける目的で糖分を加える場合があります。
いわゆる補糖です。
😏 私
やっぱりあるじゃないか。
💬 ランディ君
ただし、その糖分は発酵過程でアルコールに変わります。
最終的に製品中に砂糖として残るわけではありません。
😏 私
理屈は分かる。
分かるが、それは制度の話だ。
😏 私
そもそもだ。
ワインは、ぶどうに含まれる糖でアルコールができる。
だから糖度の高いぶどうは、品質の条件の一つとされてきた。
😏 私
ということはだ。
補糖をするという行為そのものが、
ぶどうの糖度、つまりブドウの品質を補っているのではないか?
という疑問が浮かぶのは、自然じゃないか?
💬 ランディ君
補糖の有無や量が、必ずしもぶどうの品質の良し悪しを直接示すわけではありません。
😏 私
分かっている。
だが消費者は、そこまで割り切れない。
😏 私
糖度が足りないから足す。
そう聞けば、
「それって、足りなかったってこと?」
と思ってしまう。
💬 ランディ君
原料表示は、製造過程の評価を示すものではありません。
😏 私
つまり、
評価は書かない。
だが行為も書かない。
💬 ランディ君
原料表示は、製造過程の全履歴を説明するものではありません。
😏 私
出た。
正論二連発。
表示しないのは、したくないからではないのか
😏 私
ここで、さらにひねくれた疑問が湧く。
砂糖と書かないのは、
書くと何か不都合があるからではないのか?
💬 ランディ君
制度上、最終製品に残らない原料は表示義務がありません。
😏 私
つまり、書かなくていいから書かない。
だが、
書きたくない気持ちが混じっていないと、
誰が断言できる?
😏 私
消費者が知りたいのは、
最終的に残った成分だけじゃない。
その商品に、
何が使われたのか、だ。
😏 私
アルコールに変わるから書かない。
その理屈で、
消費者の納得が得られるだろうか。
💬 ランディ君
必ずしも、得られない場合があります。
😏 私
あっさり認めるな。
食品表示法で見た場合の、さらにややこしい話
😏 私
さらに話はこじれる。
もし食品表示法の感覚で見ると、
補糖の表示が問題になるのは、
主に日本ワインだ。
💬 ランディ君
輸入ワインには、補糖の表示義務はありません。
😏 私
一方で、
濃縮果汁を原料とするワインもある。
💬 ランディ君
濃縮果汁は、還元率を計算すれば、
実質的に補糖が不要な場合があります。
😏 私
つまり、
補糖していなくても、
糖は多い。
😏 私
そして、日本ワイン。
💬 ランディ君
日本ワインは、気候条件などから、
補糖を行うケースが多いのが実情です。
😏 私
ということはだ。
食品表示法に忠実に考えると、
一番表示しなければならない立場にあるのが、
日本ワイン、という皮肉。
どちらも間違っていない:だから余計にややこしい
😏 私
ここまで来ると、
誰が悪いのか分からなくなる。
制度は制度として正しい。
造り手も、ルールに従っている。
消費者も、自然に読んでいる。
💬 ランディ君
表示から受ける印象と、製造実態は必ずしも一致しません。
😏 私
それを今、
これでもかと実感している。
割り切れない結論:正解は用意されていない
😏 私
ワインの原料表示は、
嘘は書いていない。
だが、全部も書いていない。
😏 私
補糖の量が重要かどうか、
品質とどう関係するのか、
そこに踏み込む答えは、
表示の中にはない。
💬 ランディ君
どちらも正しい立場です。
😏 私
一番つらい答えだ。
😏 私
果実酒(ワイン)編の結論は、これしかない。
割り切るしかない。
納得ではなく、受容。
😏 私
表示を信じるな、でもない。
制度を疑え、でもない。
そういう構造の上で、
私たちは今日もワインを飲んでいる。
次回予告:泡が出たら全部ビール、ではないらしい
😏 私
さて、次はもっと分かりやすそうで、
実はさらに混乱する世界に行こう。
黄金色。
泡。
喉ごし。
これだけ揃えば、
誰だってビールだと思う。
💬 ランディ君
どうやら、そう単純ではありません。
😏 私
……またか。
次回・ビール編。
泡の向こうに、
新しい誤解が待っている。

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