ワインの定番作法とその背景
😏 私
ワインと料理の組み合わせには、昔から白は魚、赤は肉という御触書のようなものがある。
だが、そもそもその根拠は、味の濃淡に由来していると聞く。なるほど、比較的薄味の魚料理には白、濃厚な肉料理には赤、と説明されれば一応は納得だ。
だが問題は、なぜそれが絶対の規範のように扱われるのか、である。
💬 ランディ君
実際、フランス料理の教本では「料理の味付けとワインの濃淡を合わせる」と説明されます。
つまり白イコール魚、赤イコール肉というより、あくまでバランス論なのです。
酸味の強い白ワインと肉料理の相性
😏 私
それなら私の舌が時折叫ぶ「酸味の強い白ワインはコッテリした肉料理にも合うのではないか」という疑念も、あながち間違いではあるまい。
脂で舌が重たくなったところに、白ワインの酸味が掃除機のようにサッと吸い取ってくれる。これは理屈よりも実体験が雄弁に物語るのだ。
💬 ランディ君
実際にドイツやアルザス地方の辛口リースリングは、豚肉料理と合わせる例がよくあります。脂のしつこさを酸が中和してくれるので理にかなっています。
赤ワインは常温?それとも冷やす?
😏 私
おお、それなら堂々と白ワインをトンカツに合わせてもいいわけだ。いや、むしろ今夜あたり試してみよう。
さて、もうひとつ気になるのが温度の話である。赤は室温、白は冷やして、と言われてきた。だがこの「室温」なるもの、実はヨーロッパの気温と湿度を前提としていると聞けば納得がいく。
💬 ランディ君
はい。ヨーロッパの夏の室温は通常20度前後で湿度も低いため、赤を常温で飲んでも香りが崩れにくいのです。
しかし日本の夏は30度を超え、湿度も高いので、赤ワインをそのまま室温に置くと香りが飛んで味もぼやけます。冷やす方がむしろ正しいですね。
日本の夏に合った新しいワイン作法
😏 私
まったくもって日本の夏は、ワイン作法にとって鬼門である。赤ワインを氷で冷やす姿を見て眉をひそめる紳士がいたら、「あなたの室温は何度ですか?」と訊ねてやりたい。
結局のところ、ヨーロッパ基準をありがたがるより、日本の気候に合わせた飲み方を楽しむべきなのだ。
💬 ランディ君
調査データでも、日本のワイン愛好家の半数以上が「赤でも冷やす」と回答しています(出典:ワインに関する消費者動向調査)。嗜好と環境の両面から合理的な選択になっています。
😏 私
ならば遠慮はいらぬ。よく冷やした赤に鰹のタタキ、酸味の効いた白に脂の乗った豚肉、これぞ令和の新作法だ。
作法に従うより、己の舌に従う。酒は嗜好品、楽しく飲めてこそ価値がある。文明とは、赤ワインを冷蔵庫に入れる自由を守ることにあるのかもしれぬ。
まとめ
- 白=魚、赤=肉は「味の濃淡」から来たルール
- 酸味の強い白は脂の多い肉料理にも合う
- ヨーロッパ基準の「室温」は日本の夏には不適切
- 高温多湿の日本では赤も冷やす方が美味しい
- ワインは作法より自由、気候と舌に合わせて楽しむ
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