国パビリオンに漂う予算の壁
😏 私
さて、今回は国のパビリオンを見ていこう。
民間が必死に汗をかいているのに対し、国のパビリオンからはどうも“予算の壁”ばかりが透けて見える。
担当者の最大関心事は“予算をオーバーせずに終わらせること”で、来場者の心をつかむ熱意は控えめに映る。
まるで宴会幹事が「会費を1,000円オーバーしないように」とだけ考えて、料理の味は二の次にしているようなものだ。
国の戦略に見える温度差
💬 ランディ君
確かに、国パビリオンの建設費は20〜50億円規模が一般的ですが、財務当局の管理下に置かれるため、予算遵守が最優先になりがちです。
ただし一部の国は明確な戦略を持っています。観光客誘致や輸出促進を狙い、ガイドを多言語で配置したり、体験型の展示を積極的に取り入れるのです。
😏 私
そう、国によって温度差が実に大きいのだ。
2010年の上海万博ではスペイン館が巨大な人形を展示し、子供から大人まで大人気となった。観光誘致に直結した好例である。
しかし一方で“自国の自然を30分の映像で垂れ流すだけ”という退屈な上映会もある。
これでは汗だくで並んだ観客が気の毒ではないか。
来場者満足度を左右する要因
💬 ランディ君
体験型やサービス面での工夫は、来場者満足度を大きく左右します。
調査会社ニールセンのレポートによれば、消費者の72%が「企業や国に対して好感を持つ理由はサービス体験に基づく」と回答しています。
展示規模の大小よりも、来場者への配慮がブランド評価に直結するのです。
😏 私
私の印象に残ったのは、意外にも“暑さ対策”を徹底した小さな国のパビリオンであった。
行列に並ぶ客にミストシャワーを浴びせ、さらには無料でアイスコーヒーを配ってくれた。
展示内容よりも、その一杯の冷たい飲み物が記憶に残ってしまう。
これぞ逆転のイメージ戦略ではないか。
結論:小さなおもてなしが最強の投資回収策
💬 ランディ君
つまり“おもてなし”こそが差別化の鍵だということですね。
高額な映像システムや最新技術の投入も効果的ですが、最終的に来場者の心に残るのは、快適さや心遣いといった小さな体験なのです。
😏 私
結論を言えば、万博のパビリオンは大金を投じた広告戦争である。
だが来場者の心を動かすのは必ずしも巨額の演出ではない。
むしろ小さな“おもてなし”が、最強の投資回収策になるのだ。
経営というものは皮肉なもので、最後に笑うのは、豪華な仕掛けではなくアイスコーヒー1杯かもしれない。
まとめ
- 万博パビリオンは直接収益ではなく、イメージ戦略を目的とする
- 民間は投資回収意識が強く、派手な演出で差別化を狙う
- 国は予算遵守優先の傾向があるが、観光や輸出に活かす国もある
- 最終的に印象を左右するのは“小さなおもてなし”である
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