◎ウクライナを救うための覚悟はあるのか?(経済戦争の意味)

社会(society)

今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、アメリカは銃で戦うのは嫌だがほっとく訳にもいかないので、ロシアに経済制裁を実施しました。
西側諸国もこれに同調しているので、武力戦争は「ロシアvsウクライナ」、経済戦争は「ロシアvs自由主義陣営」といった構図になりました。

日本もロシアに経済制裁を行っているので、ロシアと経済戦争をしていることになります。

経済制裁は武器を使わない戦争です。
戦争である限り、両方が無傷という訳には行きません。
しかも、ロシアは世界一国土が広い国かつ有数の資源輸出国です。

簡単にいうと、今後は
世界の金回りが悪くなるため、企業の資金調達が悪くなり経済が停滞します(株価低迷)
また、ロシア上空を貨物機が飛行できなくなるので、空輸が滞ります(物価高騰)
ロシアの輸出品であるエネルギー、希少金属が市場に出せなくなるので、エネルギー価格が高騰し希少金属が不足し機械部品の生産が滞ります(物価高騰・経済停滞)

これが、武力戦争でウクライナが被っている被害である安全と命の危険に相当する、経済戦争の被害です。

果たして、我々日本人には、経済戦争での被害に耐える覚悟があるのでしょうか?

昨日のニュースで、ロシアからのウニが輸入できなくなり価格が高騰している、北欧からの輸入サーモンが今後輸入できなくなる、原油高騰により商品の製造原価が高くなるが、商品価格に転嫁できず困っている等の報道がありますが、これらの報道を見る限り、日本人は今後日本が受ける経済戦争の被害に対して認識が甘いと考えざるを得ません。

経済戦争はお互いの首を真綿で占めるようなものなので、その効果はじわじわと出てきます。
また、一部の経済制裁などは全く効果が出ないので、総力戦にならなければ勝つことはできません。特にロシアには中国と言う逃げ道があるため、中国も巻き込んだ世界的な経済総力戦になるはずです。
つまり、物価高と経済の停滞が今後長期にわたってジワジワひどくなります。

さらに、経済戦争は困った事に明確な勝敗が判りません。
浅学な私が知る限り、経済戦争に類似する形で勝敗が決まったのは、米ソ軍拡競争の果てにソ連が破産して政治体制が崩壊した1例だけです。
その後、アメリカは北朝鮮、イランに経済制裁を科しましたが、何れも抜け道があったため相手国は根を上げていません。
今回の経済制裁はロシアがウクライナを制圧しても、ウクライナから軍を撤退しても、直ぐには終わらないでしょう。

さあ、我々は日本人は収入は減っても増えることがない状況で、エネルギー価格や食料品等の価格が1.5~2倍になる事に耐える覚悟はあるのでしょうか?

ただ1つ確かな事は、今の国会予算委員会でのやり取りを見る限り、国会議員の先生方からは、その覚悟と責任をほとんど感じられません。

社会(society)
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