社長=会社から抜け出せない中小企業の落とし穴

2 経営を取り巻くお金の話

(財布が一緒では、銀行も社員も離れていく) <!– TOC(自動生成用プラグインで表示) –>

はじめに:社長=会社という幻想

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中小企業を見ていて、いつも感じることがある。
「社長=会社」だと思っている経営者が、驚くほど多いのだ。

法的には会社と社長は別人格。
だが現実は、社長がすべてを決め、社長が会社の財布を握り、社長が会社の顔でもある。
もはや株式会社というより、**“社長商店株式会社”**だ。

💬 ランディ君
資本と経営が一致している構造ですね。
ただし、金融機関や第三者の視点から見れば、
「社長=会社」という意識はリスク要因になります。


社長の財布と会社の財布が一緒という現実

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特に問題なのが、「社長の財布と会社の財布」が完全に一体化しているケースだ。
会社の金で私用の支払いをする、社長の個人資金を会社の運転資金に回す——そんなことが日常化している。

そして決算書に登場するのが、「代表者貸付金」だ。
中身がよくわからないお金の出入りを、帳簿上はこう書く。
だが本当に怖いのは、その貸付金を「代表者借入金」で相殺している会社だ。

💬 ランディ君
つまり、「何に使ったかわからないお金」を「何で返したのかもわからないお金」で精算しているという構図ですね。
金融機関はこうした状態を極端に嫌います。
なぜなら、会社と社長の資金の流れが見えない=信用できない、という判断になるからです。

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にもかかわらず、社長本人は「うちは問題ない」と思っている。
報酬もそれなりにもらっているのに、会社のカードで飲食したり、ガソリンを入れたり。
「全部会社のためだ」と言いながら、領収書はごっそり会社経理に提出する。


奥様経理の法則:厳しいか、恐ろしく緩いか

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そして、ここにもう一人のキーパーソンが登場する。
——社長の奥様だ。
中小企業では経理担当が奥様というケースが多い。

このパターン、実に両極端だ。
1人は「社長! また私用ですか!」と鬼の形相でレシートを弾くタイプ。
もう1人は「まあいいじゃない、うちの会社なんだから」と言って、
家計と会社のレシートを同じ封筒に入れてくるタイプ。

💬 ランディ君
どちらの場合も、チェック機能は働きにくいですね。
“家庭の延長線上に会社がある”構造では、経営管理が曖昧になります。

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結局、家庭と会社の財布が一体化していると、
どんなに売上が伸びても、会社の資金繰りは一向に安定しない。
貸借対照表が濁り、金融機関からの信用も下がる。
まさに「儲かっているのに融資が受けられない会社」の典型だ。


社長=会社の会社ほど、社員に投資しない

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そしてもうひとつ気になるのが、「社長=会社」と思っている会社ほど、社員に投資しないということだ。
最新の設備は入れるのに、社員の休憩室は古びたまま。
応接室には高級ソファがあるのに、社員用トイレは昭和の香りが漂っている。

💬 ランディ君
従業員が使う設備や環境への投資は、経営者の価値観を映す鏡です。
社員にとっては、“自分が大事にされているかどうか”を測る無言のメッセージです。

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まさにそれ。
私は経営診断で会社を訪問するとき、最初にトイレと休憩室を見る。
そこを見れば、その会社がどんな文化を持っているかすぐにわかる。

ピカピカのトイレに観葉植物が置かれている会社は、社員を大切にしている。
一方、古びたポットとカビ臭いマグカップが並ぶ休憩室の会社では、社員の表情もどこか曇っている。
会社は、トイレに本音が出るのだ。


社員は見ている、社長の金の使い方を

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社長は「社員はそんな細かいこと気にしない」と思っているが、実際は全員見ている。
誰がどんな車に乗っているか、どこで何を食べているか。
社長の娘が乗っているベンツが、
自分たちの稼いだお金で買われたと知っているのだ。

💬 ランディ君
経営者の金銭感覚は、組織の倫理感に直結します。
社員は「自分が搾取されている」と感じた瞬間、モチベーションを失います。
そしてそれは、生産性の低下として静かに会社を蝕んでいきます。

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つまり、社長がどんなに「うちはアットホームな会社だ」と言っても、
社長の金の使い方が不透明なら、その言葉は社員に届かない。
信頼は、給料の額よりも“経営者の姿勢”で築かれるものだ。


まとめ:財布を分ける勇気が会社を変える

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結局のところ、「社長=会社」という意識を改めない限り、
財務の健全化も、社員の信頼も、銀行の評価も得られない。

財布を分けるというのは、単なる経理処理の問題ではない。
社長が会社を“自分の分身”から“社会の器”へと育てていく第一歩なのだ。

💬 ランディ君
その意識の転換ができる社長だけが、次のステージに進めます。
「社長=会社」から「社長+会社」へ。
経営者が会社を手放す勇気を持ったとき、
初めて組織は独立して成長します。

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うむ。つまり、会社の未来を変える第一歩は、
代表者貸付金の中身を説明できるようになること——そこから、だ。


✅まとめポイント

  • 「社長=会社」という意識は、中小企業の成長を止める
  • 中身の分からない代表者貸付金を、代表者借入金で相殺するのは最悪パターン
  • 奥様経理はチェック機能が効きにくい構造
  • 社長=会社の会社ほど、社員に投資しない
  • トイレと休憩室には、経営者の本音が出る
  • 社員は社長の金の使い方を必ず見ている
  • 財布を分ける勇気が、会社の信頼と未来をつくる

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