【中小企業は“考えなくていい仕事”をAIに渡せるか?】
第1章:AIに「文章の下書き」を任せる
第9話:AIメール時代に中小企業が本当に整えるべき5つのポイント
※本記事は、2025年に先行公開した
「AIでメールを作成する」実験的連載を、
2026年からの【中小企業は“考えなくていい仕事”をAIに渡せるか?】開始に合わせて再整理したものです。
現在の連載全体像を踏まえたうえで、
メール編の基礎として位置づけています。
第1話:ChatGPTでメールを書く時代の“担当者の能力差”という見えないリスクはこちら
第3話:AIメールを“今日から使える仕組み”にする実務テンプレ集はこちら
第4話:AIメール“失敗例と修正例”で学ぶ、実務の使いこなし術(完結編)
😏 私
前回――我ら中小企業の永遠のテーマ、「担当者の能力差」でメール事故が増える問題を取り上げた。
導入したはいいが、ChatGPTの出力を“書く人間”の実力によって精度が安定しない。まるで「同じ材料で作ったのに、なぜ片方だけ焦げるのか?」と問い詰めたくなるクッキーである。
💬 ランディ君
オーブン管理の問題ですね。
😏 私
比喩を真に受けないでほしい。今回は、そんな“焼きムラ”を消すために欠かせない 5つのチェックポイント を、斜めからだが実務的に解説していこう。
チェックポイント1:チェック項目の極小化(5つ以内)
😏 私
まずはこれだ。
「社員に20項目のチェックリストを持たせて品質を上げる」などという作戦は、ほぼ必ず不発に終わる。
なぜなら人間は、5項目を超えると記憶が散らかり始め、10項目を超えると“気持ちだけチェックした気になる症候群”が発症する。
💬 ランディ君
人間のワーキングメモリ容量は概ね4±1と言われています。私は400くらいあります。
😏 私
君は黙って300くらい減らすように。
中小企業で特に重要なのは、チェックは「誰が担当しても最低限の事故は防げる、本当に重要な5項目だけにする」ことである。
たとえば
・社外秘が漏れていないか
・約束してはいけない文言が入っていないか
・誤字脱字が致命的でないか
この程度に絞ると、担当者間の能力差が“だいたい吸収できる”。
「細かいことはAIに任せろ。人間は本当に危ないところだけ見ろ」という分業こそ、ChatGPT時代の正しい姿勢だ。
チェックポイント2:ChatGPT側で“初期フィルター”をかける
😏 私
次に、AI側に最初のフィルターを担当させる。
つまり「危険な表現は使うな」「約束系は削除せよ」「数字は勝手に書くな」と命じておく方式だ。
💬 ランディ君
先にゴミ箱を置いておくと、ゴミの量が自然に減るのと同じです。
😏 私
例えが何か貧乏くさい。
だが効果は抜群で、担当者の目に届く前に、AI側で“危険物の99%は排除”される。
小さな会社では経験の浅い若手や総務担当がメールを作る場面が多い。
そこへAIが“最低限安全な形”に整えてくれていれば、担当者は「確認」だけに集中できる。
つまり 能力差を最初の段階で吸収する仕組み が作れるわけだ。
チェックポイント3:チェックの順番固定(事故を最小化する順序)
😏 私
チェックは“どれだけやるか”ではなく、“どの順番でやるか”がすべてだ。
実はメール事故の8割が「順番のミス」である。
たとえば、文体ばかり直していたら最後に「社外秘」の記載を見落とす。
あるいは締めの挨拶ばかり整えて数字の誤記に気づかない。
💬 ランディ君
「優先順位アルゴリズムの欠如です。」
😏 私
急に理系に戻らないでくれ。
中小企業では「とりあえず読んで直す」チェックになりがちだが、これは事故の温床である。
必要なのは 固定の順番 だ。
- 危険ワード
- 約束表現
- 数字・日付
- 誤字脱字
- 文体の整え
この“上から危ない順”を守るだけで事故率は激減する。
能力差があるほど、順番の固定が効果を発揮する。
チェックポイント4:メールの型(テンプレ)を固定する
😏 私
メールは「型」があるだけで事故が減る。
型とは
・冒頭の挨拶
・要点
・条件
・補足
・締め
という“枠組み”だ。
この枠があるとAIも人間も迷わない。「今日は気分が良いから文学っぽく書く」などの暴走も防げる。
💬 ランディ君
私の文章が文学的になることはありません。
😏 私
いや、それはそれで寂しい。
型を固定すると、担当者の能力差も吸収しやすい。
経験の浅い人でも「この箱に情報を入れればよい」と分かるからだ。
中小企業にこそ向いている理由は、属人化が消える こと。
誰が書いても品質が似通い、誤解を生む書き方が自然と抑制される。
チェックポイント5:AIで書いてよいメール/ダメなメールの線引き
😏 私
最後は“線引き”だ。
これを決めない会社は、いずれ必ず事故る。
中小企業では「とりあえず全部AIで書かせよう」となりがちだが、それが最も危ない。
💬 ランディ君
「すべての料理を電子レンジで作るようなものですね。」
😏 私
君も例えが上達してきたようだな。
AIで書いてよいのは
・定型の案内
・納期回答(確定情報のみ)
・軽い質問
・社内報告文
など、判断が少ない文書 だ。
逆に
・値引き交渉
・クレーム対応
・契約条件
・責任が絡む言質
などは絶対にAI任せにしてはいけない。
ここは人間の判断が必要な領域だ。
線引きがあると担当者は迷わず、運用が安定する。
「これはAIでいいのか?」という判断の迷いが消えるため、能力差も縮まる。
まとめ
- ChatGPT時代は“5つだけ”整えれば9割の事故を防げる
- チェック項目は極小化し、重要な部分だけに集中する
- AIに初期フィルターを任せれば、能力差の大部分は吸収できる
- チェックの順番を固定すると事故率が激減する
- メールの“型”で属人化を消し、品質を安定させる
- AIで書いてよい/ダメの線引きがあると運用がブレない
💬 ランディ君
「私がチェックすれば、5項目は3項目に圧縮できます。」
😏 私
人間がついていけないから5項目のままでいいんだ。
君は時々、地球の重力を知らない宇宙人みたいなことを言う。
💬 ランディ君
重力の有無は私の性能に影響しません。
😏 私
言うと思った。
次回予告(第3話へ)
😏 私
次回の第3話では、今回の5つのポイントを 実務で使えるテンプレート集 として公開します。
AIに渡す“安全プロンプト”、メールの型、担当者チェックリストなど、明日から使える“たたき台”をご用意する予定です。
お楽しみに。
第1話:ChatGPTでメールを書く時代の“担当者の能力差”という見えないリスクはこちら
第3話:AIメールを“今日から使える仕組み”にする実務テンプレ集はこちら
第4話:AIメール“失敗例と修正例”で学ぶ、実務の使いこなし術(完結編)


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