(中小企業経営に見る「正しさ」と「商業性」のズレ)
テレビで見た「パンのミミのビール」
😏 私
先日、テレビで少し気になるビールが紹介されていた。
それまで廃棄されていたパンのミミを原料にしたビールだという。
食べられるのに捨てられていたものを活用し、
食品廃棄を減らす。
環境にもやさしい。
話としては、とても良い。
だが、次の瞬間、画面に映った価格を見て、
私は少し黙り込んだ。
350ml缶で約700円。
「高い理由」は理屈としては分かる
💬 ランディ君
食品廃棄を減らす取り組みでは、
原料の回収、分別、保管、品質管理といった
通常の商品にはない工程が発生します。
その結果、製造コストは高くなる傾向があります。
😏 私
確かに、その説明自体に違和感はない。
廃棄されていた原料は、
決して「タダで使える資源」ではない。
・集める手間
・品質のばらつき
・小ロット生産
・設備や工程の非効率
むしろ、普通のビールより
原価が高くなるのは自然だろう。
だから700円。
理屈は通っている。
しかし、経営として気になる「次の問い」
😏 私
ただし、ここからが経営の話だ。
「この700円を、
誰が、何本、何年、買い続けるのか?」
多くの食品廃棄削減商品は、
最初は売れる。
・テレビで見た
・社会に良さそう
・話のネタになる
だが、問題は二度目以降である。
日常消費に戻った瞬間に起きること
💬 ランディ君
消費者は日常の購買において、
価格、味、量、入手のしやすさを
総合的に判断します。
社会的意義だけで購買を継続する例は多くありません。
😏 私
つまり、
・共感はする
・理念も理解する
・でも、毎回は買わない
これは冷たい判断ではない。
生活者として極めて合理的な行動だ。
中小企業経営に置き換えると、よくある話
😏 私
ここで話を、中小企業経営に置き換えてみる。
・地域のため
・環境のため
・業界の将来のため
そう考えて始めた事業や商品が、
利益を生まない。
💬 ランディ君
中小企業では、
「理念先行型」の商品やサービスが
収益構造を十分に設計されないまま
市場に出るケースが少なくありません。
😏 私
よくあるのは、こういう流れだ。
「良いことをしている」
→「理解してくれるはず」
→「価格は後から何とかなる」
結果、何とかならない。
「意義のある商品」が抱える構造的な弱点
😏 私
食品廃棄削減商品に限らず、
意義を前面に出した商品には共通点がある。
・原価が高い
・値下げしにくい
・差別化は理念頼み
💬 ランディ君
市場では、
「なぜ高いのか」よりも
「なぜこの価格を払うのか」が
重視されます。
😏 私
結果として、
・リピートが弱い
・市場が広がらない
・価格競争に参加できない
そして商品は、
CSR枠・補助金・期間限定企画
に押し込まれていく。
商業ベースで成立しないと何が起きるか
😏 私
商業ベースで自走できない商品は、
だいたい似たような末路をたどる。
・「良い取り組みでした」で終了
・数年後には棚から消える
・担当者が替わると静かに終わる
💬 ランディ君
収益を生まない事業は、
継続投資ができません。
結果として、撤退判断が合理的になります。
😏 私
意義は否定されない。
ただ、続かない。
本当に考えるべき「お金の設計」
💬 ランディ君
食品廃棄削減のコストを、
商品価格だけで回収しようとする設計には
限界があります。
😏 私
ここが、この話の核心だ。
食品廃棄を減らすコストは、
・社会全体で負担すべきものなのか
・流通構造で吸収すべきものなのか
・制度や税で支えるべきものなのか
整理されていない。
それをすべて
「商品価格」に背負わせるから、
商業として歪みが出る。
中小企業が陥りやすい「正しさの罠」
😏 私
中小企業ほど、
この罠にハマりやすい。
・理念を語れる人が少ない
・想いで事業を引っ張っている
・価格交渉が苦手
💬 ランディ君
理念と収益は、
分けて設計する必要があります。
混同すると、事業の持続性が損なわれます。
😏 私
正しいことをする。
だが、儲かる形に落とす。
この順番を間違えると、
どんなに良い事業でも続かない。
まとめ:このモヤモヤの正体
- 食品廃棄削減の商品は意義としては正しい
- しかし価格が高すぎると日常消費に乗らない
- 「良いことをしているから高い」は商業では弱い
- 中小企業ほど理念と価格を混同しやすい
- 問題は商品ではなくお金の設計
最後に
😏 私
正しいことを、
続けるのは難しい。
💬 ランディ君
正しさを、
利益構造に変換できるかが
経営の分かれ目です。
😏 私
理念だけでは会社は守れない。
でも、理念のない利益も、
長くは続かない。
この間で悩むから、
経営はややこしく、
そして面白い。


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