麦酒2 黄色くて泡が出る酒はなぜ分裂したのか?(製法区分が味より優先された理由)

1 お酒に関するあれこれ

😏
前回、私はビールの歴史を眺めながら、
「これは酒の話ではなく、制度の話だな」
という、あまり飲み会では歓迎されない結論に辿り着いた。

😏
そして今回、棚の前に立って改めて思う。
なぜ、ここまでして“分ける”必要があったのか。
なぜ、味ではなく、作り方で線を引いたのか。

日本のビール区分はなぜ「製法」なのか

💬 ランディ君
それは、日本の酒税法が「製法課税主義」を採っているからです。
同じアルコール度数でも、
何から、どう作ったかで税率が変わります。

😏
なるほど。
つまり我々が飲んでいるのは、
麦芽の割合で性格を決められた液体、というわけだ。

ビールの定義と麦芽50%という分岐点

💬 ランディ君
酒税法上のビールは、
原料が麦芽・ホップ・水であること。
そして麦芽比率が50%以上であることが条件です。

💬 ランディ君
さらに、副原料も法律で細かく指定されています。

😏
味ではなく、材料表で人格が決まる。
これはもう、酒というより履歴書だ。

💬 ランディ君
この条件を一つでも外すと、
同じように見えても「ビール」ではなくなります。
麦芽比率が50%未満なら発泡酒。

😏
50%。
この数字の前で、無数の酒が肩を落としたのだろう。

発泡酒は味の妥協ではなく制度対応の産物

💬 ランディ君
麦芽比率を下げると、
コクは弱まり、軽くすっきりした味になります。
これは好みの問題でもあり、一定の需要があります。

😏
つまり発泡酒は、
安く作った代用品ではなく、
制度に合わせて再設計された味、ということか。

クラフトビールと指定外副原料の関係

💬 ランディ君
はい。
そしてもう一つの方法が、
法律に指定されていない副原料を使うことです。

😏
ここで話が、急に職人寄りになる。

💬 ランディ君
この手法は主にクラフトビールで使われています。
製法上は発泡酒ですが、
味の設計は完全にビールです。

😏
制度上は発泡酒、
精神的にはビール。
この二重人格が、私は嫌いではない。

製造免許が生んだ発泡酒という選択

💬 ランディ君
理由の一つは製造免許です。
ビール免許は最低製造数量が60KL。
一方、発泡酒は6KL。
10分の1です。

😏
制度は、理想より先に量を要求した。
だから職人は、制度に合わせて夢を縮尺した。

味を変えないための副原料という逆説

💬 ランディ君
多くのクラフト事業者は、
麦芽比率をほぼビール同等にし、
指定外副原料をほんの少量だけ加えています。

😏
“入れたくて入れた原料”ではないところが、
実に示唆的だ。

💬 ランディ君
代表的なのが、
アイリッシュモスやカラギナンです。
無味無臭で、味に影響しません。

😏
味を変えないために入れる原料。
制度と味覚の、静かな妥協点だ。

ベルギービールが発泡酒になる理由

💬 ランディ君
ベルギービールのように、
ハーブや果実を使うスタイルも、
日本では発泡酒扱いになることが多いです。

😏
自由な発想ほど、
制度からはみ出す。
これは酒に限らない話だ。

第3のビールと制度の自己修正

💬 ランディ君
次に、リキュール、いわゆる第3のビールです。
酒税法では、酒と酒を混ぜるとリキュールになります。

😏
ここから話が、
一気に数学的になる。

💬 ランディ君
ビールメーカーは、
ビールに麦由来スピリッツを加え、
リキュールとして販売しました。

😏
味は同じ。
だが戸籍が変わった、と言った感じだな。

💬 ランディ君
ただし、2023年の酒税法改正で、
第3のビールは発泡酒に統合されました。

😏
こうして制度は、
自ら広げた網を、
少しだけたたんだ。

黄色くて泡が出る酒の現在地

💬 ランディ君
現在、市場にある
黄色くて泡の出る飲み物は、
区分は違っても味の方向性はほぼ同じです。

😏
技術は味を揃え、
制度は名前を増やした。
その結果、我々は「違い」を学ぶことになった。

参考資料・出典

💬 ランディ君
出典:
発泡性酒類の段階的な税率変更に係る
品目及び税率適用区分の表示方法の手引き
0023008-027.pdf

酒税関係法令等の改正 国税庁
nta.go.jp/taxes/sake/kaisei/mokuji.htm

まとめ

  • 日本のビール区分は製法基準で決まる
  • 麦芽50%が制度上の分岐点
  • 発泡酒は味ではなく作り方の違い
  • クラフトビールは制度対応の結果生まれた
  • 技術が制度の隙間を埋めた

😏
さて、ここまで来ると、
次に気になるのは「じゃあ、ラベルは何を語っているのか」だ。

💬 ランディ君
次回は表示と誤解の構造を整理すると、
さらに見えやすくなると思います。

😏
なるほど。
次は棚の前で立ち尽くす理由を、
きちんと解剖するとしよう。

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