小学校の時、北杜夫の「ぼくのおじさん」という小説を読んだ。
小学生向きの小説でだが、主人公が飛行機に乗る描写に衝撃を受け、その後も「ドクトルマンボウ航海記」、「高みの見物」などを読みふけって、めでたく旅行好きとなった。
それから、学校の図書館で旅行記などを読み漁り、たどり着いたバイブルが、内田百閒の「阿呆列車」と阿川弘之の「南蛮阿呆列車」です。
因みに南蛮阿呆列車は当時文庫本になっておらず、北杜夫か遠藤周作の小説内で偶然その存在を知り、小学生の分際で小説新潮を立ち読みしました。(もちろん他の小説など難しくて読めません)
当時は田舎の小中学生が一人旅など出来る環境ではなく、高校卒業までは時刻表や駅前の旅行パンフレットを眺めながら夢想する日々が続きました。
そして大学時代、昭和阿呆列車がいよいよ出発です。
大学時代、東京で一人暮らしをしていた私は、長期休暇になると国鉄のワイド周遊券を買って日本各地を旅行しました。
例えば九州ワイド周遊券は、九州までは普通車で行かねばなりませんが(ほぼ2日かかります)九州に入るとエリア内は特急、急行の自由席が乗り放題、修学旅行にの新幹線以来初めて特急列車に乗りました。
当然、寝台特急にも乗る事が出来るので、宿泊費を節約でき、更に朝の4時以降は寝台車の空席で寝ることができました。
これが学割を使えば2万円もしないので、金はないけど体力と時間は十分すぎるほどあった大学生が使わない理由はありません。
寝るのは駅の待合室か夜行列車、風呂は銭湯、食事はスーパーのお惣菜と白飯、当時は地方にコンビニなどない代わりに駅周辺には商店街や地方デパートが存在しており、そこで地場の食料品を眺めるだけでも楽しかったです。
で、時刻表片手に電車に乗りまくり、大学2年で全国の県庁所在地の駅のスタンプをGETしました。
(本当は埼玉の県庁所在地を浦和と勘違いしていたので、正式に達成したのは社会人になってからです)
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