私が最初のこだわったのは時計です。
まぁ、友人に時計好きがいて、長年にわたり高級時計の良さを聞き続けた結果かもしれません。
私は、就職記念に1万円程の安い腕時計を買ったものの、その後携帯電話が普及すると時計を持ち歩かなくなり、そのまま過ごしていたところ、友人が懇親会などでは腕時計をした方が良いよ、と囁きだし、いかに高級腕時計が人のセンスを向上せるかをプレゼンしだしました。
世の中には時計好きが結構いるようで、同様なこだわりを持つ別の友人も参戦し、時計は時間を正確に示せば良いのであり、1,000円の時計も100万円の時計も指す時刻は一緒だと言う私を改宗しようとします。
で、まんまと彼らに丸め込まれた私は、時計は一生もの、子供に残すこともできるから高級品を買えと勧められ、特にロレックスは資産価値もあるから値上げも期待できると吹き込まれ、30代半ばにロレックスを大枚うん百万はたいて買ってしまいました。
確かに、そのブルーの文字盤は私を魅了し、その時計を付けると普段の行動にも何か自信が湧いてきます。
更に、身のこなしにも気を使う様になり、周りの評価も高くなりました。
恐るべし、ロッレックス！
この時点で私は時計の虜になりました。
そうなると、意外と時間が狂う事も、5年に一度メンテナンスに５万円かかることも苦になりません。
しかし、次第に高級時計の不都合な真実にぶつかります。
高級時計にもTPOがあります。
私は仕事がら、多様な人と関わり合います。
懇親会も会費3,000円の居酒屋から数万円のホテルのパーティーまで結構幅が広いです。
それをロレックス一本で対応するにはやはり無理があります。
しかも、若気の至りで勝った青いロレックスはそれなりに華やかなため為よく目立ち、場合によっては相手の印象を悪くする可能性もあるため、そんな時はスーツのポケットに時計を入れたりしました。
一日に複数の人と会うので、この打合せにはロレックス可、この懇親会にはロレックスはまずい、などと考えると、我ながら時間の無駄に思えます。
件の友人はそんなに気になるな普段使い用に落ち着いたデザインのロレックスをもう一本買ったらどうだ、とまた洗脳しだします。
確かに友人は数本のロレックスを使い分けていますが・・・
しかし、私は、機械式の時計は３日付けないと止まってしまうことがどうも気になります。
週末しないと月曜日の朝はまず時刻合わせから始めなければなりません。（自動で腕時計を回転させてねじ巻く機械もありますがさすがに買う気にはなりません）
朝のコーヒーショップでスマホを見ながら時刻合わせなどという事もチョクチョクあり、それが面倒なのです。
もちろん、普段使いの時計に100万円以上つぎ込む事も気が進まず、だんだん高級時計にこだわるのがしんどくなってきました。
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