オリンピック最終日、女子カーリングが見事銀メダルを獲得しました。
コロナ下でいつも以上にオリンピックをTV観戦した私は、カーリング金メダル獲得に備えスパークリングワインを準備してゲームを見守ったのですが、残念ながら大差でイギリスに敗れ銀メダルです。
もはや、愛国者精神も弱まった「丸くなった親父」である私は、娘世代の選手ががんばっている姿を見て、銀で十分と思うはずだったのですが、なぜかモヤモヤが残りました。
予選からカーリングを見始めて五試合以上、だんだんとルールが判ってくると自分で作戦を立てるようになり、韓国戦当たりではいっぱしの戦略家、一緒に見ている妻に自分の戦略を解説しては煙たがれました。
判っちゃいるんですよ・・・オリンピック選手の戦略と素人親父の戦略、どちらが正しいか
でも「わかっちゃいるけどやめられない」のが素人批評です。
野球でもサッカーでもで素人批評家が飲み屋で自己の戦略理論を戦わせるのは1つの楽しみです。
中には勘違い人間もいますが、多数はわかっているけどやめられない素人批評家ですので大目に見て頂きたいものです。
で、私のモヤモヤとは何かと言うと日本の戦略が私の戦略と違うという、笑ってしまうような論点です。
カーリングは勝者は的の真ん中に近いストーンを置いた側、得点は勝者の相手側のストーンより的から近いストーンの数であることは周知のことです。
つまり、勝利のためには10投目で相手より的に近く置く事、複数得点のためには相手より的の近くに多くのストーンを置く事が基本の戦略パターンです。
的の中に相手のストーンが10あろうが最後の1投で自分のストーンが真ん中に行けば勝ち(一撃必殺戦略)であり、相手のストーンを全部的から出してしまえば相手の最後のストーンが的の真ん中に来ても失点は1です(物量戦略)。
で、数試合見ただけで天才軍師となった私は、たちまち必勝戦略を思いつきました。
カーリングは点取りゲームなので当然基本戦略は物量戦略である、と私は考えました。
つまり、とにかく的の中に自軍のストーンを置きまくる、当然相手は的から出そうとしますが、早々全部成功する事はないので、大量得点のチャンスは増え、相手のストーンも真ん中に置く事を防ぐ事が出来ます。
なので、一撃必殺戦略よりも確実に有利!
両者が物量戦略できたら的からのストーンの出し合いとなり、面白みの少ないロウスコアゲームとなりますが、相手が一撃必殺戦略で来た場合、的の外に障壁(ガード)ストーンを置いている間に的の中にストーンを複数置く事が出来、1度に複数のストーンを排除するのは難しく、相手がミスした場合に大量得点のチャンスができるなど、物量戦略が圧倒的に有利です・・・と天才軍師は考えます。
しかし、決勝戦で日本チームが採ったのは「一撃必殺戦略」、対するイギリスは「物量戦略」です。
物量戦略で来た相手には、とにかく相手のストーンを的から出すことが必須です。
ストーン1つの段階で出しまくれば失敗する可能性も低く、負けても最少失点で済みます。・・・と天才軍師は確信しています。
しかし、プロフェッショナルの日本チームは私の戦略を無視し、イギリスが的の中にストーンを2個3個と置くのを無視してガードを構築、後手を取った挙句最後に相手のストーンをはじき出すのに失敗し、失点を重ね、あえなく敗北です。
逆にイギリスは私の戦略を採用した結果大勝利です!・・・と天才軍師は自分の戦略の正しさに確信しています。
わかっちゃいるんですよ・・・
実際のゲームはそんなに簡単な事ではない事も、試合の1投毎に両チームが知力をぶつけてきたことも、私の戦略は所詮素人の甘い考えであることも・・・
しかし、天才素人軍師にとって決勝戦は残念でありません。
結局スパークリングワインは夜大河ドラマを見ながら飲みました。
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